白仁田ギャラリー

24回生home


絵と私・・・

 世界的な画家 松井守男氏からいきなり「あなたは今の仕事に向いていないから絵を描きなさい」と言われた。57才の春のことだった・・・  今あらためてスゴイ言葉だ。その言葉に乗った私も私だ。(笑い) 人生とは不思議なものである。
 初めて必死で描いた処女作『万葉』・・・ 「ほら見ろ 描けるじゃないか!やっぱり私の目に狂いはなかった」と背中を押してくださって今日に至っている。

 私の絵は心象風景だ。風景を通して自己の内面にうごめく得体の知れない何かに向き合っている。その時何を思い、どう自分と向き合ったのか、その時間を大切にしている。
 私は絵を学んだわけではないので技術はない。感性だけで描いている。傑作かどうかはその作品にどれだけ魂を注ぎ込んだか、生みの苦しみをどれだけ味わったかで決まる。作家がメッセージを持っているか、鑑賞者がどう感じるか、それだけである。

作品の一つひとつが生きた証である。

白仁田 博昭